脱・クルマ社会へ


クルマの環境負荷、社会的負荷、効率の悪さ


車は環境・社会に思ったより多大な負担をかけています。

エネルギー効率が極端に悪く、またCO2排出量、エネルギーの無駄等で、環境への負荷No1です。
・自由に移動できる利便性を実現する事の為に、かける環境負荷・社会的負荷が重すぎると思います。
・1台のクルマが、クルマのユーザー以外の税金や公共機関、その他第三者に転化している、「社会的費用」は、年間200万円とも600万円ともいわれます
・近距離移動や、公共交通機関の便が良い場合は、マイカーでなく、自転車・公共交通機関の利用を訴えたいと思います。

☆車の通行量をせめて半分に(1970年初頭)減らすよう努力してみても良いのではないでしょうか。
☆車の買い替え年数も、15〜20年間に伸ばすよう努力できないものでしょうか。
  →オーストラリア等で一般的です。また、そのくらいは車は長持ちします。
  →今のまま5年くらいのサイクルでの買い替えを繰り返していると、「廃車の産廃富士」が各地にできてしまいます。
  →車の通行量が減れば、年間走行距離も減って車が長持ちします。

☆車のメーカーは、十分な廃棄物・環境対策、安全対策を車にほどこし、それに見合う価格をつけて下さい。
☆国は、環境対策・安全対策を施した車を、優遇する政策をとって下さい。

☆環境負荷や社会的な負荷の少ない、公共交通機関や自転車をもっと評価・優遇すべきです。

車の与える負荷項目 備考 改善提案
環境負荷 こわれた自然を元に戻すのには、破壊するコストの数十倍〜数百倍のコストがかかります。 香川県豊島の産業廃棄物不法投棄事件のゴミの大部分は50万トンの「車のゴミ」でした。
豊島の環境は徹底的に破壊されました。クルマは、このような産廃富士を作る他に、見知らぬ他人にぜんそくや花粉症、騒音・排気ガスの苦痛を与えています。
 
Co2排出量(日本全国・1年間) 車の燃料消費等のみで計算
約2億4,222万トン
=約242,220,000,000kg(約2400億kg)
全Co2消費量の約22%
全CO2消費量 1人あたり9.72トン(環境白書)
全国総量=11億トン余
不要不急の車の通行量を減らす。
Co2排出量(1台あたり平均的量) 車の燃料消費量等のみで計算
約3700kg
(全国C02量/6500万台)
ライフサイクルアセスメント(生産・廃棄・使用に関わる全てのCo2排出量を計算)の考えを導入すると、Co2排出量は更に増大 車を軽量化する。
車のリサイクル率を100%に近くする。
Nox排出量(日本全国・1年間) 84〜113万トン Noxは酸性雨やぜんそくの原因
Noxはディーゼルエンジン車から大量に出る。
車の通行量を減らす。ディーゼル大型乗用車(マイカー)を減らす
SPM、ばいじんの排出 SPM(浮遊粒子状物質)
直径10ミクロン以下の粒子もあり、軽いので空中に長く漂う。簡単に肺の奥に入る
SPM、ばいじんは、ぜんそく、花粉症アレルギーの原因。SPMは発ガン性有り。これらはディーゼルエンジン車から大量に出る。 ディーゼル大型乗用車(マイカー)を減らす
放置車 数十万台 車の林、山中、港への放置が目立っています。この放置車も社会や環境の負荷になります。  
エアコンのフロン   回収されているのでしょうか。回収量等の資料が手元にないのでわかりません。  
産業廃棄物(1年間・廃車分総量) 年間約100万トン(タイヤを除く) シュレッダーダスト内訳 
多種類の処理困難なプラスチックくず(約30%)、ガラス、繊維、ゴム、鉛、PCB、ヒ素、水銀、クロム、カドミウム、油分
有害成分は車の塗料・廃油・溶剤が原因
車を長く乗る。20年間を目標に、車を所持する。メーカーは廃車のリサイクル率を上げる。重金属等は必ず回収する。管理できないほど多種類のプラスチックを使わない。
産業廃棄物(1年間・車生産段階総量) 年間約30万トン 
内訳 鉱滓、廃油、廃プラスチック
  生産段階のリサイクル率をメーカーがあげる
産業廃棄物(1年間・廃棄タイヤ総量) 年間約80万トン(1990年) 年間約8900万本 タイヤやメーカーが引き取り、メーカーの工場で完全リサイクルする。
騒音 幹線道路端では50〜70db(電話のベル音は約60db) スピード・車の重量に比例して、どんどん大きくなり、国道、幹線道路沿線では受忍限度を越える 法定速度を下げる。車を軽量化する。広く豊かな緑地帯を整備する。交通量を少なくする。
社会的負荷 「車に乗る自由」はあります。
でも、同じ重さで「排気ガスを吸わされない自由」や「車にビクビクしないで道を歩く自由」も主張して良いと思います。
車の乗るのが「正義」という訳ではない。
道路やガソリン以外の費用が結構莫大である。(以下は一例に過ぎない)
・交通安全対策費用、騒音対策(遮音壁等)→車1台1km走行あたり7円との試算あり
・交通事故で人や物が損傷した事による損害額(年間損害額約36兆円)
 
交通事故死者(1年間) 約10,000人
1トンの鋼鉄の固まりに乗って、40km〜100kmものスピードを出すのだから、衝突時の破壊力はすさまじい。ドライバーはすれ違う全ての車・歩行者に対し、命の責任がある。出すスピードと車の重量に比例して責任感が重くなるという事を実感すべきだが、モラルだけでは対応しきれない。 交通量を減らす。車の法定速度を下げる。道路をスピードの出にくい構造にする。
交通事故死者(戦後累計) 約500,000人(事故発生後30日以内の死者は、600,000人)
すれ違う誰か(自車を含め他車、歩行者全て)がミスしたら、たちまち人が死亡し、ケガをするという自覚を常に持っていないと運転する資格がないといえる。車の運転は、事故の可能性をまきちらしている。 また、既存の道路の一部を自転車・歩道・路面電車に提供し、車の走行幅を狭くする。幹線道路は歩道・車道を広い緑地帯で完全分離する。
交通事故負傷者(1年間) 年間約870,000人 素人がマイカーを自由に乗り回すしくみに少しでも規制をかけないと、交通事故は減らない。  
20代前後の若者の死亡による損失 死亡事故の第一当事者としての割合20〜24才が約30%。また20〜24才の死因の約30%が交通事故。15〜19才では約50%
20代前後の若者のスピードの出し過ぎによる事故が非常に多い。高齢化社会を迎えようというのに、大変な損失 法定速度を下げる。国内の車の物理的な最高速度をもっと下げるよう、規制を強化する。
子どもの自由な遊び場の減少 子どもの体が運動不足からおかしくなっている。ちょっとした事で骨折したり、皮膚・せんぞく・花粉症アレルギーも増加。 のびのびと外・路地で遊べない。
道草をくったりふざけっこしたりしての通学ができない
特に通学路は広い歩道・緑地帯を設け、更に夢をはぐくむよう、実のなる木を植えたり、道草土手なども設置すると良い
安心して歩ける道の減少 広い緑地のない道は、殺伐として、都市景観も良くない。 常に車にはねられないように気を使って歩く。また、歩道から1mも離れていない車道を、車が時速60km以上で走ると、危険感・威圧感・排気ガス、騒音の不快感を強く感じる 歩道や自転車専用道をもっと広くし、広い緑地帯も確保して安心できる道を再構築する。
道のコミュニケーション機能の喪失 車のない静かな街角で、知った人が出会えば、コミュニケーションが始まる。商店街などのふれあいにその姿が見える。 車対車では立ち話はできない。乗車中の携帯電話などはもってのほか。道が危険なため、歩行者も安心して立ち話ができない。結果よそよそしくなる。 歩道や自転車専用道をもっと広くし、広い緑地帯も確保して安心できる道を再構築する。
ぜんそく、花粉症の原因となる ディーゼルエンジンから排出されるSPM、ばいじんやNoxが原因 大型のRVディーゼル車は、非常に環境負荷が高い。ディーゼルRV車にカンガルーバー(衝突時の殺傷力が強い)を付けて市街地を一人で乗車しているのは、危険と排気ガスをばらまくために走っているようなものである。 ディーゼル車を少なくする。
車の廃棄物処分に関して社会に負担をかけている 車の産業廃棄物処分場からは、環境ホルモンやダイオキシンが流出 車を運転しない人、乗らない人も含めて車のゴミによる被害を受けているのは、不公平である。 廃棄物は全てメーカーが100%リサイクルすべき。リサイクルコストは、車の購入者があらかじめ払う。大型車ほどリサイクルの値段を高くすると良い。
効率の悪さ   大きい環境・社会的負荷をかけながら、たくさんの石油がぶがぶと飲み込み、大部分を廃熱として捨てるしくみが「車社会」です。  
市街地走行平均スピード 時速20〜30km 信号待ちや渋滞等で、この速度に。
80kmくらいのスピードで飛ばしては、赤信号で止まっている車がいます。莫大なエネルギーを使用し、危険をまき散らしてこの平均速度では、市街地のマイカー走行は非常に効率が悪いといえます。
市街地では自転車や公共交通機関(バス、路面電車)に、もっと広い場所を早急に提供すべき
エネルギー効率 エネルギー効率約10%(鉄道のエネルギー効率は約30%) 消費した燃料の約10%が有効エネルギーで、残り約90%は廃熱として捨てられる。(都市温暖化の原因) 長距離輸送においても鉄道輸送をできるだけ復活させる。


最近、車に乗っている人がよろいを着て、妙によそよしい表情をしているように見えます。
車を降りて、人間らしいコミュニケーションを始めませんか?