大麻公園自然散歩へ

 大麻新町公園ミニ散歩

   1997年5月18日午後14時00分〜14時40分    金井 博子


 大麻中央公園の自然観察でとても楽しかったので、今度は大麻新町公園に散歩にゆくことにしました。前回同様、徒歩で出発です。地元の自然を見つめるには、自然や物事が良く見え、しかも小回りがきく徒歩が一番です。

 大麻新町公園は大麻中央公園と同じく、沢の公園です。水の量はこちらの方が多く、高速道路の東側と西側に1本ずつ、計2本の沢があり、中央公園と違って池はありません。また新町公園は、最近まで最も大きく豊かだった沢の、道央自動車道建設で破壊された自然の片鱗、という性格を持っています。

 沢は、起伏の乏しい江別市街地の中で、唯一、起伏変化のある自然と水辺がある場所です。清流や多くの草花、数百年生きた大木や多種類の動物などとふれあえる貴重な場所であったはずなのに、その多くが壊されたり汚されてしまったのは、とても惜しい気がします。これ以上この自然を壊さないで、できれば少しでも良いから元に戻してほしいと思います。

 (2番通りから新町公園側の斜面近辺)

 畑の横の斜面の草分け道をおりて見ました。少し入ると畑や道端より数段豊かな植物に出会えます。クマザサの中に、キンミズヒキクルマバソウ菜の花に似た草その他を見つけました。でも残念な事に後日、キンミズヒキは株ごとなくなっていました。山菜取りの人は市街地の公園でも、最近よく見かけますが、公園の山菜は、量・種類ともやせ細っています。取るのはフキやミツバ、ツクシ、ヒメジョオンなど繁殖力の強いものだけにしてほしいと思います。

 ふと畑の方をふりかえると、畑の端あたりから水がちょろちょろ流れおりてきています。農地から自然に染み出した水なんでしょうか、違和感はありません。大麻中央公園の住宅街から流れる泡立った水と比べ、だいぶましです。この水の流れのそばにジュウモウシダの大きな株をを見つけました。ジュウモウシダはコゴミに少し似ていますが、食べられません。

 (沢からゴルフ練習場にかけて)

 下は護岸工事されすぎた沢です。ここの水の多くはゴルフ場横の暗渠から流れ出て、残念ながらそんなにきれいではありません。でも子供達の好む公園のすぐそばにあるせいか、また水辺が明るくて開放的なせいか、子どもたちがよく遊んでいます。子どもたちは水が大好きです。ここは水深もあまりなく、子供の水遊びには良いところです。ただ、水がもう少しきれいになってくれたらということと、岸が急角度で切れ落ちる現在の形でなく、ゆるやかにおりてゆける土手に変えて、水辺を好む植物を植えたり、土と水の接触面積をふやしてほしいと思います。土中バクテリアや植物の浄水効果が期待でき、景色もよくなると思います。水棲昆虫がふえたら子どもたちも喜ぶだろうとも思います。

 ゴルフ場横の直径1.5メートルほどの丸い暗渠から流れ出る水があまりきれいでないのはどうしてでしょう。原因は良くわかりませんが、気になります。沢や公園内にいっぱい落ちているゴルフボールも気になりました。

 テニスコート横に姫リンゴの木を見つけました。姫リンゴはあまり甘くない、すっぱい小さな実をつけますが、一応食べられます。子供の楽しみにはちょうどよいぐあいです。実をつける木を公園内にもっと植えたらと思いました。公園内は木が少なくて、現在ちょっとさっぱりしすぎています。山ブドウとか、栗、桑、サクランボなど植わったら楽しいと思います。(山ブドウは、少しだけ公園内にあります)遊びながらちょいと口にいれた甘い実、家族でのクリ拾いなどの思い出を作ると、公園に愛着がわきます。湯川公園には栗の大木があり、周辺の人は皆楽しみにして拾いに来ているそうです。

 (テニスコート・広場からアスレチック遊具の近く)

 木やクマザサを大きくとりはらって、芝を張り、整備したこのあたりは、今や人気の市民の憩いの場です。学校・幼稚園の遠足や、家族連れのピクニックにもよく利用されているようで、昼間通りかかると必ずといっていいほど遊ぶ人を見かけます。多くの公園が、起伏や樹木が少ないせいか風が強く、通りいっぺんの遊具があるだけで単調なのにひきかえ、この公園は起伏と変化があり、遊具もおもしろく、風も少し弱く、貧相だけど水辺もあり、木や緑が比較的豊かでしかも入りやすいといった事が人気の原因でしょう。

 でもやはり手を入れすぎの感じはします。特に2番通り横の急斜面の芝張りの面積が広すぎます。少しもとの木や花を植え戻してほしいと思います。芝だけの緑は単調ですし、樹木、花、山菜などのおもしろみもありません。また芝は結構伸びるので、芝刈り等手間や費用を食うものです。わが家の庭も業者が土手に植えていった芝に苦労して、芝桜やいちご、もらった花、自然に生えたネジバナやヒメオドリコソウ、その他に変えていっています。その方が手間がかからないし、見ていても楽しみであきません。

 (新町公園の上部)

 上に上がる階段の途中には、元々生えていた樹木が残っています。ハウチワカエデと思われる木が目につきました。若葉についた雄花がきれいでした。階段を上まで上がるとこぎれいなタイル張りの広場に出ます。きれいなあずまやもあるのですが、ここにはあまり人影を見たことがありません。道路からまるみえだったり、風が強かったりするからでしょう。でもトイレや水場があるのは助かります。ゆっくりピクニックしていれば、特に子供づれであれば必ず必要だからです。私たちもここのトイレと水場をお借りしました。これで今回のミニ散歩は終わりました。

 今回は、散策に取れる時間が短かったので、新町公園の中でも比較的狭い範囲の観察しか行えませんでした。まだ新町公園にもみるべき自然はありそうですし、公園の他にも、周囲には通称「吉井の沢」と呼ばれる自然が残っています。またおりを見てじっくりと、そちらの自然探索を行いたいと思っています。

 同じ沢地の大麻中央公園も、もと沢地の大麻西町公園も、かなり人の手が入っているなかで、新町公園隣接の「吉井の沢」のみが、手つかずといって良い自然をわずかばかり残しているように見えます。しかしながら、最近、高速道路の東側の沢に面する立派な林の樹木が、大量に切られてしまいました。場所は3番通10丁目あたりで、どうやらマンションの建設地になるようです。豊かだった吉井の沢が高速道路で半分以下になり、更に周辺よりじわじわと狭められています。今や市街地の自然は貴重です。なんとかして自然を残す事はできないでしょうか。少し考えてみたいと思います。