金井さんからお聞きしたお話の要約(土作りが農業の基本)
1.土作りの大切さ
生命産業である農業の基本は土づくりにあります。ですから私は土づくりには手間暇をおしみません。
土づくりの基本となる堆肥は3年間をかけてゆっくり熟成したもののみ、畑に与えます。
堆肥の原料は初夏から晩秋までの間、自家生産の素材の外に江別市内で土木或いは清掃事業を担当する業者さんが、
河川や空き地、公園、道路その他のところから集められる雑草です。1シーズンに延1000台くらいの素材がトラックで
当地の堆肥場へ搬入されるのです。それを堆積し程良く灌水し発酵させ、切り返しを繰り返し行い、3年間の時間をか
けています。そして、この草がほぼ土のような感じに分解された完熟堆肥を初めて、畑に与えるのです。その他、畑の
面積の20%を、常時緑肥を栽培し、畑にすき込みます。この様にして地力の維持増進を図り乍ら、化学肥料は使わず、
農薬も特別な場合以外は一切使用せず豊かな土から、栄養も豊富で日持ちの良い確かな農産物が生産できるのです。今
後共自分自身に納得のできる農業を後継者と共に続けてゆきたいと考えています。
2.産消提携の推進
私が有機農業を始めた頃は、まだ全体に関心が低く、従って、汚染が問題になり始めていた
人口過密な、関東首都圏で多くの支援と理解を得る事ができたのでした。有機農業とは、農産物の生産環境や、品質重
視の原則から物流も価格設定も、生産者消費者間の、相互理解と信頼を基にして一体となって考えるものであります。
一方、農産物は国際化の中にあり、価格破壊と共に生産コストの低減が強く迫られ、尚も過剰の時代です。そのため
大切な食べものの品質低下は、加工物も含めて止まるところを知らないものがあると思うのです。そこには消費者意識も
問われている事でもあります。
3.地元の有機農業の振興
私は従来から販売を道外に求めてきましたが、環境問題や有機農業への関心が盛り上が
るに連れて、今では地元の要望も強くなり、将来に向けて有望な有機農業者の連帯を計り、更に関係機関の連携の中に、
学校給食や病院その他の施設への、地場型供給など、それに併せて子ども達へ、自然の生態型や、作物が畑で育まれ、
土や虫、陽光や風の音、鳥の声など自然と身近に接し乍ら、大切な食べものを知る機会を、ダイレクトに伝える事と、
更に、健康問題と共に、地域の新たな農業振興へと計って行く事が望ましいと思うのであります。
4.有機農業に興味のある方へ(環境広場実行委員 金井博子から)
有機農業に興味のある方には、日本有機農 業研究会機関誌「土と健康」(毎月1回発行、1冊350円、送料68円)の購読をお勧めします。この会は有機農業を積極 的に考えている民間の研究会で、消費者、農家、お医者さんなどが構成メンバーです。