有機農家紹介


トップページへ


江別の有機農家紹介に戻る

有野さんの田のアイガモの写真

 有野さんのお話の要約

 Q.アイガモの事を教えて下さい。

 A.アイガモ農法は「無農薬米・アイガモ同時作農法」で、本来、米とアイガモを両方生産することをめざします。まず、例年ですと6月20日頃、アイガモを田に放します。アイガモはある程度気温と水温が上がらないと弱ってしまいますし、雑草の芽が水面から顔を出したらアイガモに除草してもらったほうが除草効果が上がりますし、気温・水温を見ながらアイガモを田に入れる時期は結構気を使います。

  当初、アイガモは1反あたり20羽必要と言われていましたが、当別の田で試験的に行ったところ、5反で50羽入れ、キツネやネコなどに食われて秋には13羽に減ってしまったが、除草効果は十分な効果があったという事がありました。私も試験的に1町1反で50羽放しましたが、除草効果は十分でした。今年は80羽放してみようと思っています。写真は7月下旬の頃のもので、田に放してから1カ月位経過したものです。最初はピーピーいっていたひなも、このころ声変わりを迎え、ガーガーとにぎやかな声で鳴くようになります。

  アイガモは、稲の穂は伸びすぎて固いので食べません。でも、若い雑草はどんどん食べてくれます。これで除草剤が不要になります。アイガモは、稲の穂が出たら(大体お盆の前頃)田から引き上げます。そうしないと、アイガモは今度はお米を食べてしまうからです。

  アイガモを田から引き上げた後の事がなかなか大変なのです。自然に放つ事は、生態系の破壊や、他の農家への迷惑につながるので、できません。「無農薬米・アイガモ同時作農法」なのですから、食肉にするのが一番良いことになります。しかしながら、食肉にするためには、そのままでは品質的にとうていだめです。何しろ田にいる間、草しか食べていませんので、肉の量も少ないし、青臭いというか、食味もそのままではよくありません。そこで、しばらく穀物を与えて屋内で飼育します。そして、去年は多くご近所に配りました。おいしいと評判でした。ただ、新篠津で食肉にするところがあり、また、当別の健康食品の店「ハレルヤ食品」さんでスモークにする試みとか、選択肢がいろいろ出てきたので、今年から少し取り組んでみたいと思っています。食肉で儲けたいとは思いませんが、せめて次の年のヒナ代(1羽500〜600円)くらいになったらいいなと思います。

 Q.肥料はどんなものを使っていますか。

 A.1反あたり、堆肥は1トン、市販有機肥料を180kg、化学肥料を20kg使います。化学肥料は、初期生育に必要だと思います。というのは、稲が有機質(堆肥などの栄養分)を、15度以上にならないと吸ってくれないからです。気温15度で初期生育が悪いと、その後の米の品質にかなり影響してきます。但し、化学肥料は田植えの時期、根の近くに粒状のものを少量使用するだけで、その後は使用しません。

  米の味は、タンパク質が残っているとまずくなるので、生育の後期になればなるほど、肥料は(有機肥料も含めて)入れない方がおいしくなります。むしろ、穂が出た後などは多少雑草に伸びてもらって余分な窒素分などを吸ってもらう方がおいしい米になります。  

 Q.無農薬アイガモ米をほしいという方がいたら応じてもらえますか。

 A.まだ収量が80俵と少なく、また契約先にも一定の量を納めなければならないので、あまり多くの方に希望されても、応じ切れませんが、まだ少し余裕があります。価格は5500円〜6000円くらいになります。(購入方法にもよります。) 近くの農家でも、今年から試験的にアイガモを放して見るという人もいて、アイガモ農法は少し広がるかもしれません。私もこの農法を始めて今年で2年目ですが、がんばりたいと思っています。

 ※ 有野さんは、低農薬有機農法(除草剤年1回のみ)も行っておられますが、その農法や作付け面積をお聞きするのを忘れてしまいました。