有機農家紹介


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1.パンフレットを作成したきっかけ

(このページは1996年作成のパンフレットを元に作成しています)

 以前から、人間の命を支えるなかめである、農業というものに興味があり、また大事に思ってきました。野菜や米は、近場でとれた物を取れたての旬で買うのがおいしい、全て地場でまかなえるなら、それが一番自然でおいしいと思ってきました。

 また、農薬を使う事で、私たちの体に対しての影響もさることながら、地下水や、河川、海、土質、空気中に放出され、累積された化学物質が、長い目で見ればじわじわと自然をいためつけて、生き物にとって不適な環境を作っているのだと思うと、ただただ大切な物が失われて行くのをじっと見守っているだけのような、いてもたってもいられないような気がします。

 ですから、購入する食べ物は、なるべく無農薬で自然に近いものを購入するよう心がけてきました。購入するという事が、有機農業を消費者側から支える大事な柱だと思います。でも、全て無農薬・無添加のものをと選んで行くと、大変な食費となり、いつも財布と自分の良心とのせめぎあいを味わっています。

 他の方も、程度の差こそあれ、同様な思いでおられる方は、多いのではないでしょうか。多くの主婦の方に、無農薬・有機栽培の野菜や米を購入したいと思ってはいても、生活費を考えるとなかなかできないというようなお話をお聞きしました。

 けれども、有機農産物の値段の高さには、除草・虫対策などで手間がかかる外に、遠くから運ばれる為の輸送費や、途中でいたんで捨てられたロス、流通のマージン、なども含まれています。近場でとれた有機農作物が、たくさん出回るしくみができたならば、今より少しは安く購入可能となり、消費もふえ、有機農業も広がり、と良い循環が回り出すのではないかと思います。

 また、農家の方も、消費者が確実に買ってくれるとわかったならば、無農薬でやるのは大変だけれど、がんばって作ってみようという方も、増えるのではないでしょうか。また、地場だからこそ、農家との信頼関係も築きやすいとも思います。

 そんな思いがだんだん強くなってきたところに、環境広場という良き場に巡り会って、このパンフレットを作成できることとなりました。

 このパンフレットの中から、江別の有機農家の熱い思いを感じ取って下さって、有機農家を少しでも応援して下さる気持ちになって頂ければ、幸いに思います。

2.江別の有機農家はがんばってます!

 今回取材して感じた事は、近場の江別市にも、こんなにたくさん有機農業を営んでいらっしゃる方がいるのかという、嬉しい驚きでした。限られた取材の時間で、その中のほんの一部の方にしかお会いできなかったものの、お会いした方々から、次々と有機農業を営む方のお名前をお聞きするにつれ、その多さに驚きました。

 けれども、その販売先として江別は少なく、特定の消費者グループとなっておりました。それは、まだまだ有機農産物が一般的でない為、農家自身で販路を開拓し、有機農産物の消費者購入グループと連携して、全国・全道の消費者に直販したりしなければならない事が原因のようでした。だから、こんなに有機農家がいらっしゃっても、なかなか江別産の有機農産物を普通のスーパーなどで見かける事ができないのだ、と納得しました。

 また、お話をお聞きする中で感動したのは、数々の障害にもめげずに、今日まで有機農業を続けてがんばってこられた、熱意とねばり、努力でした。特に古くから有機農業に取り組んでこられた方は、その最初には、試行錯誤の苦労もさることながら、他の農家の有機農業に対する無理解から、随分ご苦労されたようでした。

 また、有機農法も、試行錯誤の中から、その土地と農家自身に合った最適のやりかたを、それぞれ自信を持って開発されておられて、そのお話も興味が尽きず、楽しいひと時でした。そして、一つ強く感じた事は、堆肥などで「土の力」を蓄え、ほっこりしたやわらかい、栄養や生態のバランスがとれた良い土作りを行えば、農薬を使わなくても、病害虫をそれほど恐れる必要はないのだという事でした。むしろ、農薬で一時的に、その地域の全ての虫たちを皆殺しにすることで、生態系のバランスをくずし、特定種類の虫の異常繁殖を招き、農薬散布のいたちごっことなるなど、一時的には楽に見える農薬散布のマイナスの面がよく見えてきました。

 さて、各農家がどんな方法で有機農業に取り組んでおられるかは、各農家のページを開いて、お読み下さっい。そして有機農業を応援して下さい。