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☆ 亜麻・糸のページ ☆
(2000.11.7更新)
今年、亜麻を育てました。
北海道の気候に適していて、艶がありしかも丈夫、通気性があって清潔・質感のある亜麻の糸を紡いでみたいと思っています。

今のところ、少量の繊維取りに成功しました。

畑での亜麻のようすや亜麻に関する情報を、随時掲載しようと思っています。

以下の図書がとても参考になりました。

・ 亜麻百年 金剛出版 
・ 北海道亜麻栽培七十周年記念史 
・ 養賢堂版 作物大系 第10編 繊維類・筵蓆料類
・ 亜麻工業 帝国製麻株式会社 阿部 松治 著
(全て酪農大学図書館蔵)


<亜麻について>
☆亜麻の花のつぼみです。

☆亜麻の花です。

<目次>
亜麻の育て方と繊維の取り方
亜麻のリンク
糸・織物のリンク
藍のリンク


☆亜麻の育て方と繊維の取り方
今年(2000年)に、北海道江別で育てた経験から書きます。
<育て方>
今年は5/12に蒔きました。
(北海道は本州より1カ月くらい遅くまきます)
発芽率を向上させる為、1晩水に漬けます。水漬けすると種の回り強い粘りが出てくるので、種と土と混ぜて種蒔きすると良いです。

バラ蒔きします。(間隔は1〜3cmくらいでした)あまり密に蒔くと、からみあって倒伏の原因になるそうです。

蒔いた後、鎮圧の為、足で踏んだり、板越しに踏んだりして少し地面を固めます。
種は1〜3cmくらいの深さに入ります。

北海道では8月中〜末頃、十分成熟したら、抜き取り収穫します。少しでも長い繊維を取る為、「抜き取り」です。
抜き取りの目安は、良い繊維を取りたい場合、緑色の実がたくさん付いた頃あいです。だいたい8月中、下旬の頃になります。
種取りの場合は、茎が黄色くなって種のさやが茶色くなり、種が充実してくる頃まで待ちます。種取りが目的の場合は9月中旬から10月始め頃となります。

種取り用の株も、繊維が固く、品質が少し劣るようですが、繊維取りはできます。

抜き取った亜麻は、種をしごき取ったあと、島立て乾燥します。


<繊維の取り方>
○乾燥したら、「どぶづけ」を行います。
どぶづけとは、まだ気温が十分あるうちに水に何日か漬けて、茎の軟弱な部分を腐らせて、繊維を取りやすくする作業です。十分繊維が分離する状態になったら引き上げます。漬ける日数の目安は、漬けた茎から軽く浮いた繊維を指でつまむとが弓なりにはがれる頃です。
漬けすぎると繊維までもろくなる事もあるので注意とのことです。

○どぶづけ中のポイント
・ため水で行う場合は(私の場合は破損した衣装ケースを使用)時々水をかえた方が匂いがしみつかなくて良い。
・きれいな池や川がある場合は、流されない工夫をして池や川に漬けた方が簡単なようです。
・試しに米のとぎ汁を入れたら、軟弱な部分の分解が促進されたようでした。

○水洗い
ころ合いになったら、引き上げる前に「十分に」水洗いします。水洗いが弱いと、きつい匂いが取れず、繊維取りの時に気になります。また、茎の表皮が繊維に残ると、色やざらつきが残ります。

○乾燥
良く水洗いした亜麻の水気ををしぼって、「天日乾燥」します。雨が降ったら取り込み、天気の良い日だけ乾燥します。数日乾燥すると完全に乾いて、茎がいわゆる「亜麻色」といったきれいな色になってきたら製線(繊)作業に入ります。

○製線作業
工夫して、ローラーのようなもので茎に圧力をかけ、茎の固い部分を破砕します。そしてその砕けた木質部木づちやゴムハンマーなどでたたき落とします。あとに、亜麻色の繊維が残ります。この作業は、日本では機械化された技術から入ったので、手作業を基本とする日本の文献がほとんどありません。ヨーロッパでは中世ころから手作業で亜麻の繊維取りをしていたので、ヨーロッパの本を調べるとわかるかもしれません。

試行錯誤で少量の亜麻の繊維を取ることができて、それはとても嬉しかったのですが、もう少し効率的に繊維取りをする方法を工夫するか、先に研究されている方々に習おうかと思っています。

○糸つむぎ
繊維がきれいに分離できたら、乾燥します。その後、糸によります。亜麻用の糸つむぎ車はあるそうでなんですが、ウール用の手回しの糸つむぎ機でも紡げるそうです。

☆亜麻のリンク

亜麻 北海道中央農業試験場 畑作第2科 特用作物のページ
亜麻の歴史や種まき・収穫時期などの解説があります。

麻ってなんだ? トスコのページ 
麻の歴史や特長・種類についての解説があります。

リネンの魅力 帝国繊維のページ
リネン(亜麻)の製品の写真があります。
リネンの歴史、リネンの採れるまでののページもあります。

☆糸・織物のリンク
おりびと・ウィービングショップ  
こちらのリンク集は糸つむぎ・織り・染め・繊維などの情報の宝庫です。
織り道具なども豊富に扱われておられます。

金の羊
糸紡ぎ・織りの為の道具や糸・染料を扱っておられます。

宮古上布
宮古上布を懸命に継承しておられます。素晴らしいサイトです。


☆藍のリンク
藍染め文化伝承事業
札幌市北区では、藍と本藍染めの普及に力を入れておられるそうです。